3日程前から庭の金木犀の香りが漂ってきました。
秋の訪れを感じつつ、ちょっと子供の頃のトイレを思い出しました。
子供の頃は平家に住んでおり、トイレの前に金木犀があったのを覚えています。
昔は洋式トイレではなく、汲み取り式のものであった為、トイレ近くに金木犀を植える家が多く、香りで不快な嫌な匂いを隠していたんですね。
香りと記憶
金木犀の香りから、思い出すのは子供の頃。小学校の運動会で両親と食べたお弁当、通学路、写生会、そしてトイレ、、笑。なんだか、懐かしい気持ちになります。
香りで思い出がよみがえり、それに結びつく記憶や感情を呼び起こす現象は、プルースト効果と言うそうです。
プルースト効果とは
フランスの作家のマルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中で、主人公がマドレーヌの味をきっかけに、幼少期の家族の思い出が蘇る事から香りによって記憶等が蘇る事を『プルースト効果』と呼ぶようになりました。
脳には思考を司る大脳新皮質と、感情や本能を司る大脳辺縁系という器官があります。
脳には思考を司る大脳新皮質と、感情や本能を司る大脳辺縁系という器官があります。大脳辺縁系の中には、記憶を司る海馬が存在します。
五感のうち「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」があり、そのうちの「嗅覚」だけは大脳辺縁系や、自律神経系を司る視床下部に直接送られるため、他の五感より感情や本能、記憶に働きかける力が強いと言われています。
香りを嗅ぐことで過去の記憶や感情が思い出されるという現象が起きるんですね。
金木犀(キンモクセイ)
金木犀の開花時期は9月中旬~10月下旬。見頃の時期は短く2〜3日、開花してからは1週間ほどで散ってしまいます。
植物名 | キンモクセイ |
和名 | 金木犀 |
英名 | fragrant orange |
学名 | Osmanthus fragrans Lour.var. aurantiacus |
分類 | モクセイ科モクセイ属 常緑広葉樹 |
葉のつき方 | 対生 |
樹高 | 5~6m |
花 | 雌雄異株 |
原産国
中国・桂林が金木犀の原産地とも言われます。
中国では白ワインに金木犀のお花を3年漬けて、「桂花陳酒」と親しまれていました。この桂花陳酒は楊貴妃も好んで飲んだお酒と言い伝えがあるそうです。
花言葉
謙虚・謙遜
香りに反して、花びらは小さく控えめな印象を持つことから「謙虚・謙遜」という花言葉がついたと考えられています。
気高い
季節の変わり目に降る秋雨の中で、潔くすべての花を散らせることが「気高い人」という花言葉の由来となっています。
その他、「真実」「誘惑」「陶酔」という花言葉もあるようです。
金木犀のアロマの効果・効能
金木犀のアロマの効果・効能
金木犀のアロマオイル(精油)には、「リラックス効果」、「アンチエイジング」、「抗炎症作用」があります。
リラックス効果
金木犀はリナロールというリラックス成分があり、心を落ち着かせイライラした気分を鎮めてくれるという作用があります。
アンチエイジング
金木犀の香りには、体内の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。体内の酸化とは、人間が活動する中で酸素を取り入れると、同時に活性酸素が生み出され、細胞を傷つけてしまい、それが老化につながります。
酸化が防がれることで、アンチエイジングにもつながります。
抗炎症作用
金木犀には、粘膜などの炎症を抑える抗炎症作用もあります。
金木犀のお茶(桂花茶)は、風邪予防や体調不良の改善などの効能もあります。
最後に
金木犀の香りには、記憶や感情を呼び戻す効果があったんですね。今まで自分だけの現象だと思っていました。
香りだけでなく、アロマオイルやお酒、お茶などでも色々楽しめそうですね♪